性能試験項目
ブルドン管圧力計は、その用途による種類の区分によって、表11に区分される。
性能試験
1.一般
性能試験は、用途によって表11による試験を実施する。試験内容は4~10によって、その条件は、2又は3による。
2.一般の条件
一般の条件は次による。
(1) | 器差試験に用いる標準器は、液柱形圧力計、重錘形圧力計、その他の圧力計を用いる。それらの標準器の不確かさは、**許容誤差の1/4を超えてはならない。 |
(2) | 圧力媒体は、製造業者が推薦する非腐食性の気体又は液体を用いる。それが不可能な場合には、セパレ-ターを用いてもよい。ただし**許容誤差の1/10を超える影響が出てはならない。 |
(3) | 製造業者が指定する姿勢に取り付ける。 |
(4) | ゼロ点調節装置があるものは、ゼロ点を調節した後に試験を行う。 |
(5) | 圧力媒体が液体の場合、ヘッド差の影響が**許容誤差の1/5を超えるときは、その差を補正する。 |
(6) | 試験は、耐熱試験を除き、JIS Z 8703の標準温度状態23±5℃相対温度80%以下(ただし、0.6級ものは23±2℃)で行う。 他の環境温度で行い、**許容誤差の1/5を超える温度誤差が生じるときは、これを補正する。 |
(7) | 加圧減圧とも、慣性の影響が出ない程度にゆっくりと連続的に行うこと。ただし、耐久試験では、8による。 |
(8) | 1目幅の1/10を超えるような指示の変化を生じるような振動又は衝撃があってはならない。ただし、耐久試験及び耐振試験では、8及び9による。 |
(9) | 真空計及び連成計の真空部で、大気の圧力が低いために**目盛りに達しない場合には、なるべくこれに近い圧力で試験する。 |
3.特殊な条件
2の条件と異なり、**許容誤差の1/5を超える誤差を生じるような条件は目盛板に表示し、試験もその条件で行う。それが不可能な場合は、条件の違いによって生じる誤差を補正する。特殊な条件として、例えば次のものがある。
(1) | 取付姿勢が特殊な場合 |
(2) | 2(6)と異なる環境温度 |
(3) | ヘッド差の影響を無視できない場合[2(5)参照] |
(4) | 特定の圧力媒体の指定がある場合 |
4.器差試験
圧力をゼロから**圧力まで逐次加えて、**圧力に達した所で15分間保ち、次いで逐次圧力を減じてゼロに戻し、この増圧及び減圧の間に、ゼロ、**圧力及び途中の適宜2ケ所以上の目盛において指示を読み取り(ただし、連成計では、圧力部及び真空部それぞれの**目盛の比が4以上のものの小さい方の部分については、動作を確認するだけでよい。)次の項目について性能を評価する。
(1) | 指針の動きは円滑であり、目に見える指針の飛びがないこと。 |
(2) | 器差は、**許容誤差以内であること。 |
(3) | 減圧のときの読みは、増圧のときの読みよりも大きな値であって、ヒステリシス差は精度範囲の**許容誤差以内であること。 |
5.漏えい試験
ブルドン管圧力計は、**圧力を加えた後、バルブなどによって加圧口を遮断し、3分間放置する。その後の2分間において圧力の低下を確認し、指示値の変化が圧力スパンの1%を超えるものであってはならない。
6.繰返し試験
同一のブルドン管圧力計で同じ仕様の器差試験(ただし、**圧力での保持はしない。)を続けて3回以上行い、圧力スパンの1/2近くにおける1点の増圧時の誤差(圧力スパンに対する百分率)と、それらの平均との残差を二乗して平均したものを開平して繰返し性とする(値は、圧力スパンに対する百分率)その値は、精度範囲の**許容誤差の1/3以下であること。
7.静圧試験
圧力計及び連成計の圧力部において、**圧力の90%~100%の定圧力を連続して6時間加えた後、続いて**圧力を超える超過圧力(表12)を15分間加える。この後、1時間休ませてから器差試験を行う。
8.耐久試験
1Hz以下の周波数で変化する表13の範囲の圧力を、連続して表13に示す回数を加えた後、1時間休ませてから器差試験を行う。
9.耐振試験
供試品を振動台に正規の姿勢に取り付け、上下、左右及び前後の3方向で試験を行う。まず、表14の条件によって共振点を探し、次いで、共振点のそれぞれにおいて2時間以上、表14の条件によって加振する(共振点が見当たらない場合は、±6.9m/s2、30Hzを3方向それぞれ2時間以上加える。)この後、器差試験を行う。
10.耐熱試験
温度100℃の恒温タンク内で**圧力の約2/3の圧力を加えて約30分放置した後、この温度(ただし、蒸気用では2(6)に現定する標準温度状態)において器差試験(**試験圧力は、**圧力の約2/3とする。)を行う。このとき目盛板の変色、変形、測定流体の漏れなど機能上有害な異常がないことを確認する。